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​内水氾濫はなぜ起きるのか

私たちは、セルラー式浸水検知センサ「KAMEKER3」の開発にあたって、たくさんの自治体の職員の方や実際に浸水の被害に合われた方のお話を聞いてきました。

そこで得たたくさんの「声」は製品の開発の支えとなるとともに、私たちの「水」に対する知識として蓄積されています。

その「水」に対する知識や知恵を少しでも多くの方と共有させて頂くため、少しずつですが、情報発信していきたいと考えています。

「水害」への備えは、まず「知る」ことから。​

​このページでは「内水氾濫」についてお伝えしたいと思います。

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「水害」には大きく2つの種類が存在します

日本は「災害大国」と言われます。日本の地理などの特性により自然災害が起こりやすいということがその原因です。

例えば、本州には2000mを超える山々が連なり、これらの山岳地帯は非常に崩落しやすい地質だと言われています。

また活火山も多く存在し、大きな地震も非常に多い国です。

そして、水害。

豊かな四季を持つからこその「梅雨」「台風の季節」が存在し、その降雨による被害は非常に身近な災害となっているのではないでしょうか。

​「水害」とは水によって起こる災害の総称であり、種類の分け方としては様々存在しますが、ここで注目したいのは、​

​「内水氾濫」  「外水氾濫」

です。所謂「洪水」の原因を分ける言葉なのですが、このページでは近年非常に対策の面で注目されている「内水氾濫」について

詳しく考えていきたいと思います。

「内水氾濫」はなぜ起こるのか

「内水氾濫」について知る前に、まず「外水氾濫」について知っていきたいと思います。

「外水氾濫」とは大きな河川の水が堤防から溢れる越水(堤防のないところでは溢水)、また溢れそうとする水の勢いで堤防が壊れてそこから水が噴出する破堤があります。いずれも場合も水の勢いは凄まじく強く越水・破堤後の住宅地等での浸水スピードは速いのが特徴です。そして、その水は川から土砂等を運んできてしまうことから、災害後の復旧にも大きな労力を要します。

では、「内水氾濫」とは何なのか。

そもそも”雨水”​は雨が降った後、どのようにしてどこに流れていっているのでしょうか。

浸み込める土のあるところに降り注いだ雨は土中に浸み込み、やがて地下水となります、また小さな河川に降り注いだ雨は大きな河川と合流していきます。そして浸み込む場所のない地表に降り注いだ雨は、雨水マス・雨水管や道路の側溝を通って河川などの公共水域に至ります。

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街中でよく見かけるこのような設備が雨水を集め公共河川まで運ぶ役割を担っています。

​※雨水の処理には厳密には汚水は汚水管に、雨水は雨水管に、それぞれ別々の下水道管で流す分流式と汚水と雨水をいっしょの下水道管で流す、合流式(ごうりゅうしき)というものが存在します。処理方式によって多少差が出てきますが、こちらについては、またブログ等で触れていきたいと思います。

​この「雨」を集めて大きな河川へと戻す仕組みの能力を超えた量の雨が降り、排水処理できなかった場合に起こるのが「内水氾濫」です。

先にも述べたとおり、「雨水が浸み込むことのできる土」つまり、山・草地・畑・水田などは、雨水を地表面上へ地中へ浸透させる働きを持っています。しかし、近年の市街地化により、道路・駐車場等の舗装などによって雨水が浸透しにくい土地の面積割合を大きくしたことも「内水氾濫」が増えた原因となっていると言われています。

こちらの動画は、埼玉県戸田市様が製作されている内水氾濫についての概要や対策がまとめられた動画です。内水氾濫の発生について非常に分かりやすく紹介されておりますので、是非ご覧ください。

「内水氾濫」はどこで起こるのか

「内水氾濫」は発生原因が雨水を排水しきれないことにあるため、平地や窪地で起きやすいのが特徴です。

近くに大きな河川がなくとも起こるのが「内水氾濫」です。日ごろからの備えとして「自分の生活圏」が「内水氾濫」の起こる可能性のある土地なのかということを予め知ることが大切です。「内水氾濫」に特化したハザードマップを作成しておられる自治体も多くあります。お住まいの自治体から発行されているハザードマップの確認をしてみることをお勧めします。

また「内水氾濫」は夕立などの局所的・短時間の雨「ゲリラ豪雨」で発生する場合もあり、その発生を素早く知ることも大事です。昨今よく聞かれるようになった「線状降水帯」もその原因になることが多くありますが、このような突発的な雨は予測が難しいことが特徴です。大切なことは、日ごろから気象情報に気を配り、身近な場所の浸水の発生を知る仕組みを準備しておくことにあります。

​まずは、ご自身のお住まいの場所について知ることが大切です。

当ホームページ内の「気象に関する情報」でもハザードマップの確認ができます。ご活用ください。​

「内水氾濫」への備え

①まずは、内水氾濫について「知る」ということ

 まずは、内水氾濫が身近に起こるリスクがあるのかということを知ることが大切です。ハザードマップの確認や地元の地理や水害の歴史 

 について詳しい方にお話を聞くこともおすすめです。

②逃げる方法を知る

 もし、ご自宅付近に内水氾濫が発生するリスクがあると分かった場合は、「避難」について知ることが大切です。家族での話し合いや避

 難所の確認。特に避難所までのルートをハザードマップで確認し、危険のない道を知っておくことは水害発生時にとても大切なこととな

 ります。車での避難が危険につながることもあります。避難については、各自治体が手引き等を作成されていますので、お住まいの自治

 体のホームページで確認してください。

③浸水の発生を知る方法を知る

 台風がくる等予め十分に備える時間のある水害とは異なり、「突然」「局所的」に起こりうることがあるのが「内水氾濫」です。

 自宅や今いる場所の近くで浸水が発生していることをどのように「知る」かというのはとても大事なこととなります。

 弊社の製品「KAMEKER3」は道路や側溝(※電波状況に設置できない場合もあります)にも設置することができるため、身近な浸水をプッシュ通知

 で知ることができます。弊社の製品に限らず、身近な浸水を知る仕組みを各自治体で導入が進められていることから、まずはご自身のお

 住まいの自治体について確認してみましょう。

④浸水に備える

 「内水氾濫」による浸水被害は、雨水・下水の逆流であることから、「外水氾濫」とは違う理由で被害発生後の対応に苦慮する場合があ

 ります。このため、衛生面への対応も避難グッズや対策として考慮する必要があります。地震被害に対する避難グッズは各家庭での準備

 が整っている場合が多いと思います。その避難グッズに是非「水害」への備えもプラスしてみてください。

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